「暮らしの窓とは」
マンションのライフスタイルを彩る
様々な情報をお届けします。
マンションでステキな暮らしを楽しむ住人十色
大小さまざまな物件のリフォームやインテリアコーディネート、
さらには売買なども手がけるラブリカ代表の深澤ゆきえさん。
海に近い開放的な街での暮らしやお仕事について伺いました。
今回、お訪ねしたのは物件のリフォームや売買、インテリアコーディネートなどを行なっているラブリカ代表の深澤ゆきえさんのお住まいです。
「長いこと東京都内に住んでいましたが、あるとき、『自然を感じながら海の近くに住みたい』と思い立ち、物件探しをはじめました。仕事で東京と神奈川に行くことが多いので、適度な距離感を考えて、リゾートライフ初心者でもハードルが高くないイメージだった今の家に決めたのですが、住んでみたら想像以上に快適でもうすぐ8年になります。この家は最寄駅から海までのちょうど中間地点くらいの立地なので、駅や買い物に行くのも、海へ行くにも不便さはまったく感じません」
都内から住み替えて、快適に感じているのはどのような点ですか?
「まず、食べ物がおいしいんです。海が近いので魚介はもちろんなのですが、お肉やお野菜もとにかくおいしくて、しかも都内に比べると物価も安いですしね。それと、冬は暖かく、夏も過ごしやすいので冷暖房の消費が減ったからか、電気料金が(都内に住んでいたときに比べて)1/3程度になりました。都内の家の方が狭かったにも関わらずです。あとは、飲み物を持参して海辺で仕事をすることもあるんですけど、心地よくて気分もいいせいか、とにかく仕事が捗ります」とも。
「それから住んでみて楽しいな、と思ったのは、お祭りやイベントが多いこと。街も人も明るくてフレンドリーなんです。みんなで楽しもう、盛りあがろう、っていう空気感があるんですよね」
では、お部屋の空間づくりにおけるテーマあるいはポイントなどありますか?
「明るく広々とした空間にしたいと思いまして、リビングと寝室は、あえてオープンにしています。明るさもできるだけ取り入れたくて、カーテンもメッシュ素材にしました。寝室だけは寝るときにロールカーテンを下ろしますが、日中は日差しを感じられるようにしたくて……。あと、お花が好きなので生花やドライフラワーを絶やすことなく飾れるように壁の高い位置にレールと棚を設置しました」とおっしゃる通り、リビングの壁にはたくさんの花やアートがバランスよく飾られています。
「リビングの壁は季節ごとにお花を変えているんですが、お祝いなどでいただいた生花を下げて、それがドライフラワーになっていく過程を楽しみながら飾ることも多いですね」
①寝室側からのリビングダイニング。左奥に対面式のキッチンがあります。リビングで仕事をすることも多いそうで、丸テーブルの奥に置かれたキャビネットには書類がきちんと仕分けされて並んでいます。その右横に置かれているのはワインセラーです。
②「日差しを取り入れて明るい空間にしたくてカーテンはメッシュ素材にしています。寝室のサッシ上にも棚を設け、飾りスペースに。2本のスタンドライトはどちらもニトリのもの。手頃な価格でしたけれどシンプルなデザインが気に入っています」
③リビング側からの寝室。右手にクローゼット、その奥の一角にデスクスペースが設けられています。フローリングはリビングと同じ素材(桜の天然木)で一続きにし、広々空間を演出。「お客さまが来る際は扉で仕切っています」
家具やインテリアへのこだわりなども教えてください。
「ダイニングテーブルやチェア、ベッドなどの大きな家具は長く使えるものを選んでいます。実際にこのダイニングテーブルは約20年使っていますし、ベッドは私の体型に合わせてオーダーしたものなんです。でもインテリアはリーズナブルなものもミックスしていて、たとえばリビングのスタンドライトは、手頃なもの。ですが、デザインがシンプルなので、どんなイメージの空間にもじゃまにならないところがいいな、と。リーズナブルといえば、百均などのプチプライスアイテムを活用した収納術のご提案もしています」
子どもの頃から模様替えをすることが好きだったともおっしゃる深澤さん。今のお仕事をするきっかけを伺ってみると、
「そもそもは歯科医院で働いていまして、そのときに、どうも私に向いてないな、と思い、百貨店に転職したところ、とんとん拍子でメーカーの店長に昇進しまして、自分に向いているのは接客業だと感じ、飲食店経営に転業しました。業績というかビジネス的にはうまくいきましたが、心身ともにハードワーク過ぎて体調をこわしかけまして。それから少し休養をはさんで、今の仕事を始めました」
何かきっかけがあったのでしょうか?
「若い頃から物件を買っては売り、売っては買い、を繰り返していまして、いつの頃からか、まわりの友人知人から不動産に関する相談事が増えたんです。それでアドバイスをするうちに、いっそのこと仕事にしてみようと思いまして。ここ数年は、わくわくすることを追いかけているうちに、どんどん仕事の幅も広がっていて、ありがたい限りなんですけど、今、しみじみ思うのは、キャリアや経験って無駄になることは一つもないのだな、ということです」
では、これからチャレンジしたいことはありますか?
「今のお仕事を大切にしたいと思っています。お客さまからのオーダーは難題も多く、苦労もありますが、そこをクリアできた結果、笑顔で『お願いしてよかった』とおっしゃっていただけたとき、心からうれしくて。そういう充実感をこれからも感じられるように取り組みたいですね」
街や人々の明るさを享受しながら、心身の健やかさに重点を置く。その上であえて公私の区切りをフラットにした軽やかさに満ちた素敵なお住まいでした。
MANSION DATA
間取り:3LDK
専有面積:78㎡
築年数:32年
南側には名所としても知られる海岸、北部には緑豊かな丘陵、さらに駅周辺は商業施設も充実したリゾートタウン。都心へのアクセスも1時間ほどで通勤や通学にも便利。移住者も年々増えているエリアです。
PROFILE
「ラブリカ」代表
建設・インテリアコーディネーター・
物流・企画
深澤 ゆきえさん(ふかざわ ゆきえ)
「より自然に近い海辺エリアで暮らしたい」との思いから2016年に一念発起して湘南エリアに移住。暮らしにまつわることが好きで、現在は不動産・建築・インテリアコーデネートから、映画のロケーションコーディネート業務なども手がけています。
HP:https://lovelicajp.com/
一面に大きな窓があり、採光は十分。「メールをチェックすることから1日の仕事が始まります。オフィスよりもこのリビングの方が作業が捗るんです。今はいろいろなジャンルにチャレンジしていますが、わくわくするかどうかをその仕事をするかしないかの判断基準にしています」
「食べるものには気を使っている方だと思います。お料理も大好きで、基本和食ですけど、ホームパーティーをするときは、ワインに合うメニューが多いですね。家電も好きで、常に新しいものをチェックしています」
「収納のアドバイスをすることも多いのですが、主に百均などのプチプライスのアイテムを使ったアイデアを提案しています」。収納の左奥にはデスクを造作。アロマなどを楽しむスペースだそうです。
マンション敷地内の中庭に向けて開く窓があるトイレスペース。「もともと広くて気に入っている場所の一つです。落ち着ける色合いでコーディネートしています」
「高い建物がなく、視界がひらけているのでベランダからの景色もお気に入り。都内に住んでいるときは、3~4年で引っ越しをすることが多かったのですが、ここはもうすぐ8年。住みやすいですし思い切ってこのエリアに来て大正解でした」
トイレと同様、中庭に向いた窓が浴室にも。壁面はマグネットになっていて入浴アイテムをすっきりと収納。「お掃除もしやすいのでおすすめのアイデアです」
寝室の天井に付けられたフロアライトは、照明作家である谷俊幸さんによるデザイン。「花が咲いたように広がるやわらかな光に癒されています」。素材は桜の木で、軽さも特徴だそうです。
リビングの壁の上部に棚とレールを配して花やグリーン、小物やアートが飾られています。「季節ごとにアレンジを変えていますけど、とにかくお花が好きなので常に囲まれていたいんです」と深澤さん。
「暮らしにまつわることが大好き」とおっしゃる深澤ゆきえさん。百貨店勤務によりサービス業を学び、2000年から約10年間アットホームな飲食店を経営。その後「からだによくて、おいしくて、かわいいもの」をコンセプトにご自身でセレクトした食品や美容関連用品などを販売。一方で不動産に関する知識と経験を生かしながら、建築士・宅地建物取引士などとタッグを組み、土地探しや家づくりをはじめ、リフォーム・インテリアコーディネートなどを請け負うように。プチプラアイテムを活用した収納術や最新家電などの情報提供も行うかたわら、最近では映画のロケーションコーディネートなども手がけ、フレキシブルに活動中。
①リフォームを手がけた物件の途中段階。
②①のリフォーム完成後の写真です。
③別物件のリフォーム例。
④リフォームの現場には何度となく足を運ぶそう。
⑤映画などのロケーションコーディネーターとしても活動。