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心身ともに軽やかに過ごしたい!
日常的に実感している方も多い「肩こり」。今回は、肩こりの原因、対策、予防について教えていただきました。肩こりがなぜ起こるのかがわかれば、有効に対処できるはず。また、簡単にできるセルフケアなどもご紹介します。ぜひ参考にして、肩こりのない健やかな心身でお過ごしください。
二足歩行をしている人間の体は、そもそも首や腰に負担がかかりやすいもの。姿勢を保つために首から肩にかけての筋肉が緊張し、こわばり、その結果、血行が悪くなるとさまざまな不調が起こります。その一つが肩こりです。筋肉周辺の血流が滞ってしまうと、筋肉に疲労物質が蓄積し、血管が圧迫され、痛みなどの原因に。つまり筋肉疲労、血行不良、抹消神経の傷などの要因が、単独もしくは互いに関連しながら肩こりを引き起こすのです。また、女性は男性に比べ、一般的に筋肉量が少なく、首が細い方が多いため、頭を支える負荷が首や肩にかかりやすいことから肩こりに悩む方が多いともいわれています。
首と肩のまわりにはさまざまな筋肉があり、重い頭や腕を支え、立っているだけで緊張し続けています。緊張が続くと筋肉疲労、血行不良、抹消神経の傷が生じ、こりや痛みを引き起こします。
肩こりの原因となるのは、主に姿勢の悪さ、運動不足、ストレス、眼精疲労など。これらが血行不良や筋肉減少、自律神経の乱れなどを招き、肩こりを引き起こします。
●デスクワークや車の運転など同じ姿勢を長時間続けている
●イスと机のバランスが悪くかたよった姿勢を続けている
●猫背や前屈みなど姿勢が悪い
●いつも同じ方の肩にショルダーバッグをかけている
●寒いところで長時間過ごし体が冷えている
●運動不足
●ストレスを抱えている
人間の背骨の間には「椎間板」があり、衝撃を和らげるクッションの役割を果たしています。年齢を重ねるとこのクッションがつぶれて硬くなり「頸部脊椎症」と呼ばれる症状に。これも首や肩の痛みやこりの原因になります。また、「五十肩」は肩関節や関節まわりの靱帯、筋、腱などに炎症が生じている状態で、正式名称は「肩関節周囲炎」です。これは40代で症状が出れば「四十肩」、50代ならば「五十肩」となります。
重い頭を支えながら二足歩行できるように人間の背骨はゆるやかなS字カーブを描いています。背骨の間には椎間板があり、衝撃をやわらげるクッションの役割を果たしていますが、加齢にともなってクッションがつぶれて硬くなり「頸部脊椎症」の状態に。これも肩のこりや痛みの原因になります。
肩こりを放置すると、こりや痛みが悪化したり、慢性化したりすることがあります。関節を動かせなくなるなど、さらに悪い状態になる場合もありますので、痛みを感じたらつらくなるまで我慢せずに、早めの対処を心がけることが大切です。また、肩こりの背後に重大な病気が隠れていることも。痛みを我慢せず、ストレッチなど物理的な対処と合わせてまずは市販のテープ剤やゲル・ローションなどの塗布剤で対処して、しばらく使用してもよくならない場合は医療機関を受診しましょう。
●貧血、低血圧、高血圧
●狭心症や心筋梗塞、胃潰瘍
●目の病気
●虫歯などにより歯の噛み合わせが悪い
また、不安やイライラなどが長く続くことによるストレスが肩こりの原因になることもあります。
「肩こりかな?」と感じたら、まずはマッサージや体操、ビタミンの補給などにより症状が緩和するかどうかセルフケアを。こりを感じる部位に鎮痛消炎成分を配合したOTC医薬品(医師の処方箋がなくても購入できる一般用医薬品)を使用してみるのもいいでしょう。それでもなかなか症状が改善されない場合は、専門医への受診をおすすめします。
肩こりの刺激により、痛みを起こす物質(ブラジキニン、ヒスタミンなど)が作られます。さらにプロスタグランジンという物質も作られ、痛みを増強させてしまいます。痛みがあるとその部位の筋肉が緊張して硬くなり、こりを繰り返してしまうので、鎮痛消炎成分を配合した貼付剤などの外用薬で痛みを初期の段階で抑えましょう。
痛みが強い、左右どちらか片方の広範囲に起こっている、頭痛やめまいがする、吐き気がする、手足の痺れなどがある場合は医師に相談してください。メガネの度数が合わない、歯の噛み合わせが悪い場合も眼科や歯科などを受診しましょう。また、頑固な肩こりがある場合は、整形外科で首や骨の椎間板などを調べてもらってください。姿勢や運動不足など、生活習慣による肩こりの場合は、マッサージや体操などのセルフケアで症状が軽減できる可能性もあります。
●強すぎるマッサージはNG
ご自身でマッサージする場合、強すぎるとかえって肩こりを悪化させることも。
●姿勢に気を配る
肩にできるだけ負担をかけない姿勢を維持する。
●肘を伸ばして肩を回す
肩を回す際に肘を伸ばすと肩甲骨と一緒に胸も動いて、より体がほぐれる。
●ゆっくりと入浴
体全体を温め、リラックスして疲れをとる。
●栄養バランスのいい食生活
疲労回復や神経の修復を助けるビタミンB群(B1・B6・B12 など)が不足しないように。
●十分な睡眠
疲労やストレスがたまらないように十分な睡眠を。
こりを感じ、痛みがある場合は、鎮痛消炎成分を配合した貼付剤、ローション、ゲル、スプレーなどの市販薬を活用しましょう。ロキソプロフェンナトリウム水和物、フェルビナク、インドメタシンなどは「非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)」と呼ばれ、痛みの原因物質であるプロスタグランジンを効果的に抑え、鎮痛作用を発揮する成分です。症状や部位にあわせて選びましょう。
患部に貼るタイプのパップおよびテープには、冷感タイプと温感タイプがあり、冷感タイプは清涼感、温感タイプは血行を促進する作用が期待できます。肌の弱い方は購入の際に薬剤師に相談しましょう。また、症状がなかなか改善しないときや頭痛や吐き気などを伴う場合は、専門医による治療をおすすめします。
肩こりを予防するには、正しい姿勢を習慣づけることが大切。立ち姿では、耳ー肩ー腰ー股関節ーひざーくるぶしが一直線になるように心がけてください。正しい姿勢のポイントは、
◆背骨のS字カーブを意識する
◆首や肩の筋肉をリラックスさせる
◆同じ姿勢を長時間続けるのを避ける
また座る姿勢に関しては、次のような点にご注意を
◆椅子から少し離れて浅く座る
◆背もたれにはもたれない
◆おへその下に力を入れ、骨盤を立てる
◆背筋を伸ばす
◆目線が20~30度下に向くようにパソコンや椅子の高さを調整する
背骨のS字カーブを意識しましょう。悪い例は、猫背のように頭の位置が前に出る、逆にそらしすぎもNGです。デスクワークなどで長時間、前かがみの姿勢を続ける場合は、適度に休憩して、首を回す、肩を動かすなどを行い、筋肉をほぐすようにしましょう。
首を曲げて画面をのぞきこむような姿勢を続けていると、首や肩の筋肉がその状態で硬直し、痛みを引き起こすことがあります。肩こりの予防には、悪い姿勢をとらないことに加え、同じ姿勢をとり続けないことも大切です。スマホは、画面が目の高さになるように持つことを心がけましょう。その際、机などに肘をついたり、反対側の手で肘を支えたりするようにすると腕が疲れにくくなります。また、同じ姿勢を続けないように、30分に1回は首や肩のストレッチを行うのもおすすめです。
首や背中が緊張する姿勢や、同じ姿勢を長時間続けていると、肩こりが生じやすくなります。肩こり予防の対策としてぜひストレッチを取り入れてください。ストレッチには、筋肉の緊張をほぐし、血流を改善する効果が期待できます。肩こりにおすすめのストレッチ、家でできるものとオフィスでできるものをご紹介しますのでぜひお試しを。無理なく体をほぐし、健やかにお過ごしください。
※本記事は取材に加え「くすりと健康の情報局」を参考に作成しています。
PROFILE
教えてくださったのはこの方!
第一三共ヘルスケア株式会社
ブランド推進本部 開発担当
森谷 茉由さん(もりや まゆ)
第一三共ヘルスケアでOTC医薬品・機能性表示食品の製品開発を推進。入社時から開発職を担当し、現在は「ロキソニン外用薬シリーズ」、「パテックスシリーズ」などの外用鎮痛消炎薬のほか、通販品「リゲイン内服シリーズ」の開発にも携わる。
PROFILE
教えてくださったのは
この方!
第一三共ヘルスケア株式会社
ブランド推進本部 開発担当
森谷 茉由さん
(もりや まゆ)
第一三共ヘルスケアでOTC医薬品・機能性表示食品の製品開発を推進。入社時から開発職を担当し、現在は「ロキソニン外用薬シリーズ」、「パテックスシリーズ」などの外用鎮痛消炎薬のほか、通販品「リゲイン内服シリーズ」の開発にも携わる。