「暮らしの窓とは」
マンションのライフスタイルを彩る
様々な情報をお届けします。
ライフスタイル特集
クリスマスやお正月を楽しく過ごすために
今年の年末年始は例年通りでいいの?
新型コロナウイルスの影響もあり迷ってしまうことも多いのではないでしょうか。
そこで、年末年始に関するマナーやエチケットについて教えていただきました。
「年末年始には、お世話になったお礼を伝えに伺ったり、故郷へ帰省なさっている方々も今年は新型コロナウイルス感染拡大のことを考えて、どうしたらいいか迷っていらっしゃるのではないでしょうか」
そうおっしゃるのは、本誌の前号「住人十色」のページに登場くださったマナーアドバイザーの山木理代さん。「心配りや気持ちの伝え方を新たな観点で見直してもいいかもしれません」とも。
そこで今回は、年末年始にご挨拶する際の心配り、クリスマスやお正月に役立つマナーについてアドバイスいただきました。
「時節柄も考えて主に以下についてお伝えします。
どのような世の中になっても人と人の接点があるからこそ日々の生活は成り立つのだと思います。今は新型コロナウイルスのこともあり、たとえお会いすることはできなくても、あなたさまのことは大切に思っています、という気持ちが伝えられればいいですね」
ところでページ上の写真は、山木さんがご提案くださった、ご家族でクリスマスディナーを楽しむ際のテーブルセッティングの一例です。
「クリスマスカラーを意識しつつ、明るめなセッティングにしてみました。テーブル全体にクロスを掛けるのも素敵ですが、ランチョンマットとセンタークロスで気軽に楽しむのもいいと思います。ファミリーでの食事でもクリスマスパーティーなどの場合はお花や小物をプラスしていつもより華やかにしてみてはいかがでしょうか」
では次のページから具体的なマナーについてご紹介します。
PROFILE
マナーアドバイザー
サロン・ド・エサンシエル主宰
山木 理代さん(やまき みちよ)
大学卒業後、都内企業数社にて秘書として勤務。また、社外活動として経済界・財界の勉強会等にて接遇を経験。さまざまな出逢いの中「感謝の心を表し、謙虚な姿勢であること」「丁寧な暮らしで心を満たす生き方」が心からのマナーに繋がっていると感じ、マナーの魅力に惹き込まれマナーの道を志す。2008年よりマナー講師としての活動を開始し、都内スクールにて講師として各種マナー講座やマナー講師養成を担当。2013年より「サロン・ド・エサンシエル」を主宰。広く奥深いマナーの世界を楽しむ、さまざまな講座やセミナーを開催。また、企業の新入社員研修、ビジネスマナー研修、接遇マナー研修、大学での講義や雑誌のマナー監修・執筆など活動の場を広げている。
サロン・ド・エサンシエルからのお知らせ
現在、サロンでのレッスンは休止中ですが、WEB(ズーム)によるマナーレッスンを開講中です。
性別年齢職業を問わず幅広い方々、また全国各地の方々に受講いただいております。さまざまなカリキュラムに対応可能ですのでHPからお問い合わせください。
ご挨拶について
訪問する際の準備と配慮とは?
「ご挨拶に伺う場合、今年の年末年始は玄関先でのご挨拶程度にしておくことをおすすめしますが、まず先方に連絡をして伺う日時を決めます。その際、先方のご都合を優先し、負担になる時間帯、たとえば朝早くとか、食事を気にさせてしまう時間帯は避けましょう」
伺うことになったら2つの準備を。
「1つ目は服装。万が一、靴を脱ぐこともありえる場合、ブーツは避けてください。男性はカジュアルになり過ぎないよう、関係性にもよりますがジャケットスタイルが安心です。2つ目は手みやげの準備です。相手側の家族構成や体調も含めた好みなどを考えて選んでください。迷われたときにおすすめなのは老舗の銘菓です」
お歳暮は送るタイミングを考えて
手みやげを渡す際、紙袋から出し相手に正面を向け、両手で箱の両端を持ち相手の胸元くらいの高さを目安に丁寧に差し出します。手みやげに表書き(お歳暮など)と名前を入れた熨斗(のし)紙を掛けると、礼を尽くした意が伝わります。
「お歳暮を送る際、12月13日を一つ目安にするのもおすすめです。この日は「正月事始め」といってお正月に向かって新年の準備を始める日。もちろん12月初めから年末まで送ってもよしとされていますが、帰省や旅行の予定も想定して12月20日くらいまでに送るのがベターです」
贈り物の意を表すには熨斗紙を掛けることもおすすめです。年末なら「お歳暮」、年始なら「お年賀」とします。
手みやげを渡す際は、両手で箱の端を持ち相手の胸元くらいの高さに差し出します。
ご挨拶について
あたたかな気持ちになれる
お礼状を心がけて
では、ご挨拶をされる側としては何をしたらいいのでしょうか。
「一番大切なのはご挨拶に来てくださったことへのお礼を伝えることです。特に今はイレギュラーなことも多く、心を痛めている方も少なくありません。こんなときこそ心がほっとあたたかくなるような、お礼の気持ちを届けられたらいいですね」
感謝を伝える際、電話やメールでも悪くはありませんが、お礼状で気持ちを伝えることもおすすめだそう。
「こういうときだからこそ気持ちを伝える、心を届けることができれば、と思います。葉書のお礼状も嬉しいですが、やはり便箋に書く方が丁寧です。季節の言葉を添えて、ご挨拶や贈り物がどう嬉しかったか、お相手を気遣い『年末年始を健やかにお過ごしください』という労りの言葉を入れて完成させてください」
お互いのためにも無理に引き止めないこと
さて、ご挨拶に来ていただくのを遠慮したい場合にはどうしたらいいでしょうか。
「新型コロナウイルス感染拡大対策には何というか温度差のようなものがあると思います。ですので、もしお越しいただくのを遠慮したい場合は、こちらの事情というよりはお相手を慮っているというような伝え方が理想的だと思います。たとえば『ご存じのように、このような状況なので今回は諦めませんか? 自由に往来できるときを楽しみにしましょう』と伝えてはいかがでしょうか」
逆にせっかく来てくださったからと無理に引き止める行為も今はおすすめできないとのことです。
クリスマス&お正月
ワインを注いでもらう際
グラスは持ち上げないこと
「クリスマスは洋食メニューが多いので洋食とワインのマナーについてお伝えします。洋食の場合、まず気を付けたいのは手をテーブルの上に乗せて常に手が見えるようにすることです」
これは昔、武器や毒を持っていませんということを表した名残りからだそう。ナイフ、フォーク、スプーンの使い方は下記を参照してください。
「ワインを注ぐ際はボトルのラベルを上に。注いでいただく側はワイングラスを持ち上げないように。お水などを注いでもらう場合もグラスは持ちません。グラスを持つのはビールだけと覚えておきましょう」
テーブルナプキンは膝に書ける場合、二つ折りにして折り目を自分側に置き、口を拭くときにはナプキンの内側を使います。そして食事の途中に席を立つ場合は、ナプキンは椅子の上に置きましょう。
ナイフ、フォーク、スプーンの基本マナー
お肉メニューの場合はナイフの柄に人差し指を添えて動かして切り、フォークにさして口に運びます。
お魚メニューの場合はペンを持つようにナイフを持ち、切れたらフォークの腹に乗せて口に運びます。
食事の途中ですのサインは、ナイフの刃先を自分に向けてナイフとフォークをハの字、またはクロスさせておきます。
食事が終わりましたのサインは、お皿を時計に見立てて3時から6時の間に揃えて置きます。
スプーンは、手前から奥にすくうのが一般的です。音をたてないように静かに口に流し込むようにしていただきます。
クリスマス&お正月
神様と一緒にいただく
それが祝い箸です
「お正月の食事マナーでまず知っておきたいのはお箸のこと。お正月の食事では両端が細くなっている祝い箸を使いますよね、この意味は片方は人間、もう片方は神様のためのもの。年神様と一緒に食事をする、神様との架け橋になることを意味しています」
同じようにしめ縄や鏡餅にも神様に来てくださいという気持ちを表した依り代となるものなのだそうです。
「それとおせち料理はおめでたいものの象徴。一品一品に意味があるので、ぜひそのことも意識しつつ召し上がってください。食事をする際に器を手で持ち上げていいのは日本食だけ。お雑煮のお椀など手で持ち上げていただきましょう」
お年玉について
お年玉は、そもそも神様にお供えした「お餅玉」で神様の魂が入った「御年魂」です。年長者から下の者へ配るものなのです。もし、お正月にご両親など年上の方に現金を渡す際は「お年玉」ではなく「お年賀」としてお渡ししましょう。
お椀とお箸のマナー
両方の端が細くなっている祝い箸は神様と一緒にいただくという意味があります。
お椀のふたを開けるときは左手でお椀を抑えてふたを時計回りにゆっくり開けます。
ふたを開けたら両手で持ち右上にふたの裏側を上に向けて置きます。そして両手でお椀を持ち上げます。
左手親指をお椀縁に添え他の指で底を支え、右手でお箸を取り椀底の左の指に挟み箸を持ち返すと美しいです。
贈り物について
「考え方によっては、新型コロナウイルスの影響でなかなか会えない方へ感謝を伝える方法としてお歳暮を利用されるのも一つの手だと思います」
お歳暮が堅苦しいと感じる関係性であればクリスマスプレゼントもおすすめだそう。
「高級ジュースなどもいいと思います。また、お正月に向けて日本酒や、おせち料理を手作りする方には高級調味料などもいいのでは」
贈り物の表書きは、新年に贈り物を送る際は松の内までなら「お年賀」、それ以降は「寒中見舞い」、立春以降は「余寒見舞い」とするそうです。
「お歳暮は一年の感謝、お年賀はことほぎの気持ちを伝えるもの。ですから喪中の方にお年賀は失礼になります」
熨斗の絵柄の真ん中に描かれている線は縁起の良い干し鮑を表したもの。お相手への繁栄・健康などの願いが込められています。
マスクエチケット
近頃では外出時の必需品となっているマスク。マナーの観点からマスクに関する注意点はあるのでしょうか。
「まず、ご挨拶に伺う際、インターフォン越しにマスクをしたままだと、どなたなのかわかりづらいのでマナーとしてはマスクを外してからインターフォンを押し、お顔を認証いただいてから再度マスクをしてご挨拶を。お宅に上がってご挨拶する場合のマスクの着脱は相手の指示に従ってください。お茶や食事をいただく際、外したマスクをそのままテーブルに置いたりせずにマスクケースなどに入れることをおすすめします」
気を使いすぎてもお互いに疲れてしまいますが、心地よく過ごすためにはある程度のマナーやエチケットは必要です。年末年始を楽しく過ごすためにもぜひ参考になさってください。
外したマスクはそのまま放置せずマスクケースなどに入れましょう。抗菌効果のあるものなども千円程度で各種ありますのでぜひマスクと一緒に携帯を。また、マスクケースにマスクを入れる際は、顔に当てる方の面を内側に折って収納しましょう。お子さまやご家族と一緒に出かける際は、それぞれにケースを用意してください。
抗菌マスクトレイ/Polka Dot Ribbon COLORFUL CANDY STYLE
PROFILE
マナーアドバイザー
サロン・ド・エサンシエル主宰
山木 理代さん
(やまき みちよ)
大学卒業後、都内企業数社にて秘書として勤務。また、社外活動として経済界・財界の勉強会等にて接遇を経験。さまざまな出逢いの中「感謝の心を表し、謙虚な姿勢であること」「丁寧な暮らしで心を満たす生き方」が心からのマナーに繋がっていると感じ、マナーの魅力に惹き込まれマナーの道を志す。2008年よりマナー講師としての活動を開始し、都内スクールにて講師として各種マナー講座やマナー講師養成を担当。2013年より「サロン・ド・エサンシエル」を主宰。広く奥深いマナーの世界を楽しむ、さまざまな講座やセミナーを開催。また、企業の新入社員研修、ビジネスマナー研修、接遇マナー研修、大学での講義や雑誌のマナー監修・執筆など活動の場を広げている。
サロン・ド・エサンシエルからのお知らせ
現在、サロンでのレッスンは休止中ですが、WEB(ズーム)によるマナーレッスンを開講中です。
性別年齢職業を問わず幅広い方々、また全国各地の方々に受講いただいております。さまざまなカリキュラムに対応可能ですのでHPからお問い合わせください。