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2026年度「税制改正」の注目ポイント

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目次

執筆:土屋栄悦税理士事務所
土屋英悦氏

2026(令和8)年度の税制改正は、個人の相続税や所得税に大きな影響を与える改正項目が目立ちました。

所得税については、特例要件の整備が進むとともに、全体として負担軽減の傾向が見られます。

その一方で、相続税については、課税の適正化・強化の方向で見直しが行われています。

また、期限切れが予定されていた制度についても、延長されたものが多く見受けられます。

“課税の公平性確保”を目的に、 「貸付用不動産の評価」見直しへ

近年、地価や建築コストの上昇により、不動産の実勢価格は大きく上昇している一方で、相続税評価額(路線価等)はそれに比べて低く抑えられる傾向にありました。

2023(令和5)年度の税制改正では、マンション評価について一定の是正が行われましたが、賃貸用不動産については見直しが行われておらず、相続直前に貸付用不動産を取得することで相続税評価額を大幅に引き下げる、いわゆる「駆け込み的な相続税対策」が広く行われていました。

これに対しては、従来、個別事案ごとに「過度な節税かどうか」を判断し、不動産鑑定評価を用いるなどして評価額を否認する対応が取られてきました。

しかしながら、その判断基準は必ずしも明確とはいえず、課税の予測可能性の観点から課題が指摘されていました。

今回の改正では、こうした不明確な取扱いに対し、一定の明確な基準が示されたものといえます。すなわち、実勢価格と評価額の乖離を利用した過度な節税を是正し、課税の公平性を確保することが、本改正の主な目的です。

今後は、相続直前の対策に依拠するのではなく、より早い段階から計画的に相続対策を検討していくことが重要となります。

「貸付用不動産の評価」はこう変わる!

教育資金の一括贈与に係る 贈与税の非課税措置はすでに廃止。 住宅ローン控除は5年間延長に

教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置(最大1,500万円)は、2026(令和8)年3月31日で終了しました。ただし、父母や祖父母等が教育費をその都度負担する場合には、従来どおり教育費としての非課税の取扱いが適用され、通常必要な範囲であれば年間110万円の基礎控除とは別に贈与税は課税されません。

 

住宅ローン控除については、適用期限が2030(令和12)年12月31日まで5年間延長されるとともに、制度内容が見直されます。

 

今回の改正は、既存住宅の活用促進と省エネ性能の向上を目的としており、一定の省エネ基準を満たす住宅を優遇する方向となっています。具体的には、既存住宅のうち認定住宅やZEH水準省エネ住宅については、借入限度額が3,000万円から3,500万円に引き上げられます。他方で、省エネ基準適合住宅については新築・既存ともに借入限度額が引き下げられ、さらに2028(令和10)年以降に建築確認を受ける新築住宅のうち、ZEH水準に満たないものは控除の対象外となります。

 

また、子育て世帯や若年夫婦世帯に対する借入限度額の上乗せ措置は2030(令和12)年まで延長され、既存住宅にも適用が拡大されます。

加えて、省エネ基準適合住宅以上の既存住宅については控除期間が10年から13年に延長され、新築住宅と同様の取扱いとなります。

 

床面積要件についても、所得1,000万円以下の方に限り40㎡以上へと緩和される措置が既存住宅取得にも拡充されます。ただし、子育て世帯等への借入限度額の上乗せ措置を利用する場合は50㎡以上の要件が適用されます。さらに、土砂災害特別警戒区域等の災害レッドゾーン内における新築住宅(建替えを除く)については、2028(令和10)年以降の入居分から、原則として控除の対象外となります(※既存住宅・リフォームは引き続き対象です)。

参照:国土交通省_報道・広報_(別紙1)令和8年度住宅税制改正概要

https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001975750.pdf

※国土交通省の資料をもとに執筆者にて作成

このほか、住宅に係る特例措置や贈与等の非課税措置で、今年度も継続している主なものは下表の通りです。

【参考】

参照:国土交通省_報道・広報_(別紙1)令和8年度住宅税制改正概要

https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001975750.pdf

※国土交通省の資料をもとに執筆者にて作成

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