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築10年中古マンションのリセールバリュー調査・分析(2025年度 首都圏/近畿圏/中部圏)
目次
2025年 中古マンションのリセールバリュー 首都圏
●首都圏平均は160.5%、新築分譲時から資産価値が目減りした駅は9駅→6駅に減少。
首都圏においてリセールバリューが算出可能だった駅は377駅で、その平均値は160.5%となりました。
対象物件が分譲された2015年前後は価格高騰局面に入って間もない時期で、新築マンションの販売価格は直近に比べてかなり割安感が強くありました。
それに対して、現在の中古マンション価格は先高感があり供給戸数も限られる新築物件からのニーズの受け皿として連れ高の様相を呈しており、特に東京都心部においては富裕層など資金力がある購入者による旺盛なニーズから上昇度合いが顕著となっています。
その影響は近郊~郊外エリアにも少なからず波及しており、首都圏全域で新築分譲時を上回るまでに至っています。
主要駅におけるリセールバリューは、200%以上の駅(=新築分譲時に比べて2倍以上の価格で中古流通している駅)は都心部に位置するJR山手線エリアや東京駅至近のエリアなどに多く分布しています。また、150%以上200%未満の駅の分布先は着実に郊外へと拡がってきており、JR武蔵野線~JR南武線以遠のエリアでも散見され始めています。
一方、新築分譲時よりも資産価値が目減りしている駅は2024年調査と比べて9駅から6駅とさらに減少しています。
対象となった377駅のうち、371駅がリセールバリュー100%を超えており新築分譲時を上回る資産価値を示しています。なお、全体の35.5%に相当する134駅では首都圏平均のリセールバリューを上回る結果となりました。
一方、資産価値が新築分譲時を下回った駅は6駅で、資産価値が目減りしていた場合であってもそのほとんどが非常に軽微な度合いに留まっていることがわかります。
●上位駅のうち「神谷町」を含む港区が最多で11駅→13駅に増加、 湾岸エリアでは「月島」「勝どき」が台頭。
2025年に最もリセールバリューが高かった駅は東京メトロ日比谷線「神谷町」の462.2%で、築10年中古流通時のマンション価格が新築分譲時に比べて4.6倍超も値上がりしていた計算となります。
対象物件は駅近の大規模タワーマンションのみですが、周辺エリアにおける虎ノ門ヒルズや麻布台ヒルズなどの複合開発も相まって中古流通価格は大幅に押し上がってきており、築後10年を経た現在では坪2,000万円の大台に迫っています。
ランキング上位30駅の内訳をみると、国内外の富裕層や投資家などから旺盛なニーズを集める港区が最多の13駅、次点には銀座・日本橋エリアや湾岸エリアを含む中央区(6駅)が台頭してきています。
なお、例年数が比較的多い千代田区は対象物件を有する駅が少なくなったことを受けて前回から駅数を減らしたものの、渋谷区に関しては新築分譲価格が高まったことや中古流通価格の伸び悩みなどが影響して相対的に順位を落としランク外となっている駅も散見される結果となりました。
ランキング上位の駅は引き続き東京23区内の駅で占められていますが、前回に比べると国内外に移動する際の交通利便性が良好で事業集積地にも近接もしくはアクセスしやすい駅がやや増えた印象を受けます。
※リセールバリューが同値の場合は、小数点第2位以下を参照し順位に反映。
●中古マンションのリセールバリュー(価格維持率)について
竣工から10年間が経過した分譲マンション(本調査ではサンプル数を確保するために築後9年~11年の物件)
のうち、現在中古流通している物件を抽出し、分譲当時の価格と現在の価格から算出した指数。
リセールバリュー(%)=中古流通時の価格新築分譲時の価格×100
なお、専有面積30m未満、事務所・店舗用のユニットは集計から除外しています。また、駅毎で数値を算出するにあたっては一定以上のサンプル数を有する駅に限って掲出しています。
2025年 中古マンションのリセールバリュー 近畿圏
●近畿圏平均は141.0%、資産価値が2倍以上となった駅のほとんどが大阪市中心部に位置。
近畿圏においてリセールバリューが算出可能だった駅は170駅で、その平均値は141.0%となりました。
建築コストの上昇や供給物件の好立地・高スペック化などを背景とする新築マンションの価格高騰は近畿圏でも生じており、中古マンション価格も連れ高の様相を呈しています。
東京都心部でマンション価格が高騰する中、グロスの割安さや収益性の高さ、将来性などを背景に、大阪市中心部は富裕層や投資家などからの旺盛な実需・投資の両ニーズを集めています。
好調なインバウンドが牽引する形で経済活動は一段と活発化しつつあり、再開発によるエリアポテンシャル向上への期待も相まって、中古マンション価格は東京都心部と遜色ない上昇度合いを見せています。
主要駅におけるリセールバリューは、200%以上の駅(=新築分譲時に比べて2倍以上の価格で中古流通している駅)は大阪市中心部に集中しており、他には新幹線ターミナル駅の「新大阪」と京阪エリアの「高槻」が該当するのみで、意外にも京都市中心部で該当する駅は見られませんでした。
対象となった170駅のうち、162駅がリセールバリュー100%を超えており、対象駅のほとんどで新築分譲時を上回る資産価値を示しています。
なお、全体の42.4%に相当する72駅では近畿圏平均のリセールバリューを上回りました。
一方、資産価値が新築分譲時を下回った駅は8駅で、資産価値が目減りした駅の合計シェアは5%を下回る状況が続いています。
●ランキング上位駅のうち大阪エリアが21駅→23駅に増加、 微増の京都エリアに対して神戸エリアは減少。
2025年に最もリセールバリューが高かった駅は昨年と同じく大阪メトロ長堀鶴見緑地線「西大橋」の307.5%で、築10年中古流通時のマンション価格が新築分譲時に比べて3倍超も値上がりしていた計算となります。
対象物件は大阪市内に11棟しかない50階建てクラスの大規模タワーマンションのうちの1つで、キタやミナミからある程度アクセスに時間がかかることもあって新築分譲時の販売価格はかなり割安に設定されていました。
ただ、最寄駅から徒歩5分という好立地に位置していることに加えて、2031年春になにわ筋線の新駅が開業された後のアクセス向上への期待もあり、中古流通価格は市内でも屈指の高水準となっています。
ランキング上位30駅のうち全体の3/4に相当する23駅が大阪エリアで占められており、その多くは市内中心部のオフィスエリアにアクセスしやすい大阪メトロ各線やJR大阪環状線の駅となっています。
この他、京都エリアからは「祇園四条」「洛西口」「桂川」「烏丸」の4駅、神戸エリアからは「神戸」「ハーバーランド」の2駅がそれぞれランクインしています。
残る1駅は京阪エリアに位置する「高槻」で、滋賀県・奈良県・和歌山県の駅は例年通り登場していません。
2025年 中古マンションのリセールバリュー 中部圏
●中部圏平均は111.3%、首都圏や近畿圏のように資産価値が2倍や3倍となった駅は、依然として現れず。
中部圏においてリセールバリューが算出可能だった駅は67駅で、その平均値は111.3%となりました。
地域経済を牽引する自動車関連企業の好業績を受けた住宅購入ニーズの高まりや建築コストの上昇などを背景に、中部圏でも中古マンション価格は堅調に推移しています。
ただし、地域の特性として割安な価格の一戸建て住宅が住宅全般の相場価格の上値を抑制させる傾向が強く、資産価値の上昇度合いも限定的になりやすい傾向にあります。
また、名古屋市中心部においてはエリアポテンシャルの向上が期待される新たな交通インフラの整備や大規模再開発などの案件が少なく、相場価格を押し上げる要因となり得る投資ニーズが東京都心部や大阪市中心部ほど高まっていないために、リセールバリューが200%を超える駅は依然として確認されていません。
主要駅におけるリセールバリューは、100%以上を示す駅(=新築分譲時の価格以上で中古流通している駅)の多くは名古屋市中心部をはじめ愛知県内に分布していますが、今回は岐阜県や静岡県でも僅かながら確認できます。
対象となった67駅のうち、全体の44.8%に相当する30駅では中部圏平均のリセールバリューを上回っています。
なお、100%以上の合計シェアを比べると首都圏(98.4%)や近畿圏(95.3%)より20ポイント近くも下回っていますが、その一因としては近郊~郊外エリアに位置する駅において資産価値がある程度目減りしてしまっている点が挙げられます。
一方、資産価値が新築分譲時を下回った駅は15駅で、駅数・シェアともに縮減しており緩やかではありますが着実に資産価値が目減りする駅は減少してきています。
●上位駅として名古屋市内から25駅がランクイン、「久屋大通」を含む中区が最多の6駅。
2025年に最もリセールバリューが高かった駅は名古屋市営地下鉄東山線「池下」の150.6%で、築10年中古流通時のマンション価格が新築分譲時に比べて5割以上の値上がりをしていた計算となります。
対象となったのは2物件で、そのうちの1つは42階建ての駅近大規模タワーマンションとなっており、こちらの物件が駅平均のリセールバリューを押し上げています。
なお、当該物件においては低層階~高層階でリセールバリューに大きな差は認められませんでした。
ランキング上位30駅のうち8割以上に相当する25駅は名古屋市内に位置しており、同市中区の6駅が最多で、その他は千種区や中村区などがそれぞれ2~3駅で並んでいます。
上位駅は全て110%を超えていますが、首都圏では230%、近畿圏でも160%を超えていたことに鑑みれば資産価値の上昇度合いは限定的となっています。
名古屋エリアは住宅市場において一戸建てが支配的という地域特性がありますが、新たな投資ニーズの呼び込みや再開発の機運を高めることへの効果が期待されるリニア中央新幹線の開業目途が依然として立っていない現状ではリセールバリューにおいて東京23区や大阪市との差が縮まる可能性は限りなく低いとみられます。
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