ヘルスケア
8月下旬になっても依然として暑い日が続き、外出の機会が極端に減ってしまった方も多いのではないでしょうか?
冷房の効いた室内で過ごすことは、熱中症対策の観点からも重要なことではあるのですが、一方で、歩かなくなる事による体力(筋力)の低下が懸念されます。
そこで今回は、室内でも鍛えることができる脚(下半身)の運動のポイントや注意点をご紹介します。
脚の筋肉を鍛えるメリットの前に、脚の筋肉が身体のどの部分よりも早く衰えることをご認識ください。特に太もも前面(大腿四頭筋)は、男性では50歳くらい、女性は40歳くらいを境に急激に衰えます。
脚を鍛えることで、普段の歩行動作や階段の昇降も楽になりますし、膝関節への負担も軽減できます。近年、筋肉の新たな役割として、筋肉から分泌される「マイオカイン(ホルモン)」が注目されています。全て解明されていませんが、数十種類存在し、「動脈硬化の予防」「脂肪分解の促進」「大腸がんの抑制」「脳の活性化」等、様々な効果が期待されるマイオカインが筋肉、特に太もも前面から分泌されると言われています。
フィットネスクラブにあるような、トレーニングマシンを使うこともメリットは多いのですが、自宅等でも気軽に脚(下半身)を鍛えることができるのが「スクワット」です。自体重でのトレーニングは特別な器具を必要とせず、省スペースで「いつでも」「どこででも」トレーニングが可能になります。
また、スクワットを行う事で、太ももやお尻、ふくらはぎやスネといった下半身の筋肉を大きく使う事ができ、正しい姿勢を維持するためにお腹や腰にも力がはいりますので、身体全体を大きく使う種目といって良いでしょう。
椅子の立ち座りや歩行、階段の昇降等がスムーズにできるようになり、代謝も上がりますので、身体を引き締めたいと思っている方にもおすすめです。
駅の一段を一気に上がれなくなった
以前なら急ぎ足で間に合っていた電車に間に合わなくなった
ウォーキングの途中で休みたくなる事が増えてきた
長年やってきたスポーツやダンスなのにいくつかの所作ができなくなってきた
1㎏の買い物袋(牛乳パック2本)を持って歩くのが困難になってきた
自宅の階段等で手すりが必要になってきた
横断歩道を青信号で渡り切れなくなってきた
靴や靴下を立ったまま履けなくなってきた
※日本整形外科学会2024年インターネット調査結果(20歳以上1万200人)及びロコチェックの項目より改編
体力(筋力)に自信がない方や膝や腰に不安がある方でも、椅子を使えば安心して実施できます。
教えてくださったのはこの方!
■東急不動産株式会社
ヘルスケア事業本部 ヘルスケア事業部 企画推進グループ
■株式会社ルネサンス(兼務)
ヘルスケア事業本部 地域健康推進部西日本チーム
桑田 勇人 (くわた はやと)
1986年東急不動産グループとして初の会員制フィットネスクラブ第一号店の開業に参画。フィットネススタッフを経験し、パーソナル事業部ではスポーツ選手のトレーナーとして活躍。2011年にはヘルスケア事業部で各自治体の介護予防事業の運営および運動指導を実践。順天堂大学との包括協定により東急不動産が運営する高齢者シニア住宅向けに、体力(筋力)の維持向上の研究・検証を行い学会で発表した。2019年より東急不動産ヘルスケア事業部と連携し、各地域の健康づくりに関わり全国的な取組に着手。
健康運動指導士(厚生労働大臣表彰受賞)、介護予防主任運動指導員、オステオパシー療法士(アメリカではドクター資格に相当)など、健康・運動・介護に関わる資格を多数有し、大阪府警察共済組合やNHK大阪支局、建設業界にむけた指導の実施、デロイト・トーマツ社主催「介護予防セミナー」や東京都健康長寿医療センター主催のセミナーに登壇、長野県・千葉県・神奈川県・埼玉県の自治体での運動指導、企業向けオンラインレッスンやセミナーなどを実施。また、東急スポーツオアシスをはじめ、東急不動産HDグループ社員に対する研修・育成などを行っている。