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「暮らしの窓とは」

マンションのライフスタイルを彩る
様々な情報をお届けします。

マンションでステキな暮らしを楽しむ住人十色

ディテールにこだわること
で空間に統一感を持たせた
明るく開放的なアーバンライフ。

中古マンションをフルリノベーションしてお住まいの菅野有希子さん。
空間づくりへのこだわりや、テーブルコーディネーター兼プロップスタイリストという
お仕事のことなどを広々としたご自宅にてお話しくださいました。

求めていた間取りが見つからず、
新築から中古物件に切り替えて。

今回お訪ねしたのは、テーブルコーディネーター兼プロップスタイリストとしてご活躍の菅野有希子さんのご自宅。フルリノベーションした都内マンションにお住まいです。
「引っ越しするにあたり、最初は新築マンションを探していました。でも、一部屋ごとが狭くて、私の希望に合う物件がなかなか見つからなくて。自宅で撮影をする機会も多いので、大きな一部屋がどうしても必要でした。 それで新築物件では難しいと思い、中古マンションに切り替えて探しはじめました。そうしたら、この家に出会えまして、即決に近かったと記憶しています」

決め手になったのは日当たりのよさ。
「東南角部屋なので撮影する際も日当たりが申し分なくて。都心でこの日当たりはありがたいですね」

フルリノベーションするにあたり菅野さんがまずやったことは
「こんな部屋に住みたいということを担当の建築家さんに伝えるために写真や洋書を集めました。イメージしていたのは、ちょっとクラシックなパリのアパルトマン。ベッドルームの仕切りは、透明にして圧迫感を無くし、広いワンルームのようにしました」

ヘリンボーン床にしたくて
全体予算をやりくりしました。

白で統一されたベッドルームは清潔感いっぱいです。
「目覚めた瞬間から気分がいいようにリネンも白にしました」

そしてベッドルームの仕切りと同じくらい目を引くのが床の様式。
「床はどうしてもヘリンボーンにしたくて、その旨を伝えました。リフォームするときに重要なのは、やはり予算ですよね。私の場合、床をヘリンボーンにするために、他で予算を抑えて帳尻を合わせました。あとはドアや取っ手もそう。 本当はすべてのドアを枠のあるカマチ扉にしたかったけれど、そうすると予算オーバーになってしまうので主なドアだけにして、その代わりということでもないのですが、ドアや収納の扉の取手をすべて真鍮にしました。これでかなり空間全体の統一性が守られたと思います」

①テレビ側から見たリビングダイニング全景。ヘリンボーンの床がクラシックな雰囲気。
「ソファはアンティークに見えますけど新品のもの。ベッドルームの仕切りが黒枠なので家具やインテリアにも所どころ黒を取り入れています」
②「キッチンはペイントも自ら選び微妙なグレーのカウンターに。職業柄ものが多いのでキッチンカウンターに造作で収納を増やしてもらいました。ビジュアルと実用を兼ねたキッチンです」
③ひときわ目を引く黒枠にガラスがはめ込まれたベッドルームの仕切り。開け放つとワンルームにもなります。空間全体に開放感と明るさが増すアイデアです。

「せっかくだから」と引き受けていたら、
いつの間にか本職になっていました。

とてもセンスのいい菅野さんですが、今のお仕事にたどり着くまでに遠回りをなさったとおっしゃいます。
「20代の頃は会社員だったのですが、今思えば、向いてないことばかりにチャレンジしていましたね。 自分には何が向いているのか、よくわかっていなかった頃、日々の食卓の写真をなんとなくフェイスブックにあげるようになったんです。ちょっとした提案も付け加えながらだったのですが、その写真や提案が友人たちの間でわりと評判がよくて、せっかくならアーカイブが残るようにとブログにしまして、そのブログを見た方から『有希子さん得意そうだからコラムを書いてみない?』とお仕事になっていき、それを見た方からまたオーダーをいただき、『せっかくだからやってみます』となり、なんていうか、せっかくだからの積み重なりでいつの間にか仕事になっていたというか。それで今に至っている感もあるんです。今ではこの仕事が天職だったのだな、と思えるようになりました」

アートとビジネスのバランスというか
ロジックも大切にしています。

では、お仕事に関して何か心がけていることはあるのでしょうか?
「私たちの仕事は、いかにきれいな写真を撮るか、感性勝負だと思っている方も多いかもしれませんが、私はむしろロジックを大切にしています。どんなにきれいな写真でも商品特性が伝わらなくては広告の意味がありませんし、ちょっとダサいかなと思ってもそれが世の中に求められている“もの”や“こと”、だとしたら受け入れるべきだとも思っています。アートとビジネスのバランスとでもいいましょうか、アーティスティックになりすぎてもよくないんです。何度もお仕事をいただき、また評価をいただきながら気づいたことでもあるのですが」

では今、特に興味を持っていることはありますか?
「お茶ですね。もともと香り系のものが好きで、お茶もある意味香りを楽しむものでもありますよね。せっかく日本に生まれたのだから茶の湯のことをちゃんと知っておきたいという気持ちもありまして。中国茶にもとても興味あるんですけどね」

お気に入りの器を選び、使う、それが
セルフケアにもなっていると思うんです。

また、器も好きだとおっしゃる菅野さん。
「たとえば口紅も塗らずにお化粧をしないで過ごす日って少し自分がみすぼらしく感じたりしませんか? 食事も同じで買ってきたお惣菜をパックのまま並べて毎食食べていると、だんだん気持ちが荒んでしまいますよね。でも、そのお惣菜をお気に入りの器に盛るだけで、時間と空間を自分のために作っていることになります。 結果セルフケアにつながると思うんです。トーストのお皿一枚でもちょっといいお皿に盛るだけで自分を丁寧に扱っていることになりますよね」とも。
「あと、器に注目が集まるようなお手伝いができたらいいですね。作家さんにお話を伺ったり、器の産地にフィーチャーしたり、器のよさをもっと広められることができればいいなとも思っています」

日々の暮らしにおける、たとえば小物選びや食事、あるいはインテリアなど、そのどれもがセルフケアにつながるということをあらためて気づかせてくれる素敵なお住まいでした。

MANSION DATA

間取り:1LDK
専有面積:76.87㎡
築年数:20年
都心にも近い最寄駅へは徒歩5分という便利さ。商業施設なども充実していながら、静かな住宅地でもあり緑も多く、歴史も感じさせる街並みも魅力。中心街であることを忘れてしまう静かなエリアです。

PROFILE

テーブルコーディネーター/
プロップスタイリスト

菅野有希子さん(すがのゆきこ)

会社員を経て2016年独立。 雑誌・書籍・ウェブメディアなどで、食からインテリアまでライフスタイル提案のスタイリングを幅広く手がける。“暮らしを楽しむ”をテーマに小規模な撮影ではフォトグラファーを兼ねることも。リノベーションしたマンションで一人暮らしする“うつわ愛好家”。
Instagram:https://www.instagram.com/yukiko130
note:https://note.com/yukiko130/n/n7f899deb9e52

ダイニングテーブルの背面はグレーにしてアートコーナーに。「民芸品作家で染色家の柚木沙弥郎(ゆのきさみろう)さんの作品を飾っています。これは布ではなく紙に印刷した作品なのですが、いつか布を染めた作品がほしいんです」

ベッドルーム側から眺めたリビングルーム。「テレビ台はなかなかいいものが見つからなくて、りんご箱を並べています。ソファに座って好きな映画や海外ドラマを見ながら日々リラックスしています」。 テレビの前にはヨガマットも敷かれていて、「ときどきふわっと足を組んだりしてストレッチしたりヨガをしたりしています」 と菅野さん。

「ドアノブや扉の取っ手を真鍮で統一しているのでダイニングテーブル上の照明も真鍮にしました」。 存在感のあるデザインでありながら空間になじんでいるのは素材を揃え、色味も少なくコーディネートしているから。このセンスを見習いたいですね。

寝室の扉は白で統一。キッチンカウンターの扉は薄いグレーをチョイス。「微妙な色の違いですが、他の空間と調和するカラーにしてもらいました。仕事で使う食器や雑貨が多いのですが、キッチンカウンターの幅を広くして、収納スペースも多くしてもらって大正解でした」

「本当はキッチンの壁をタイルにしたかったのですが、オープンキッチンなので壁面が少なく、結果、洗面回りをタイルにしてもらいました。ミラーやライトも真鍮で統一して、お気に入りエリアになりました」

旅先で見つけたステッカーやお気に入りブランドのカードなどをコラージュ。「ここはお気に入りのものを集めた『ときめきコーナー』なんです。仕事に関しても部屋づくりに関してもときめきを大事にしています」とも。

「壁は一面だけグレーの塗り壁にしたのですが、いいアクセントになりました。ドラムの上にはCDや香りグッズなどを置いています。 これは雑誌で見ていいアイデアだな、と思って取り入れました」

キッチンカウンターや収納、そしてドアなど、すべての取っ手が真鍮に統一されています。「これはこだわったポイントです。リフォーム前のドアをそのまま使っている箇所もありますが、そのドアもノブは真鍮に変えています」

zoom - up

テーブルコーディネーター兼プロップスタイリストとしてご活躍の菅野さん。主なお仕事内容としては、食品や生活雑貨メーカーをクライアントに持ち、スタイリングをして時には撮影も行なっているそうです。「商品をいかに輝かせられるか」を常に考えているともおっしゃり「おいしそうに見えること、季節を取り入れることなども心がけています」とも。撮影したものは、雑誌・書籍・ブランドのSNSやウェブサイト、 パンフレットなどに掲載されています。

①リンナイ無水調理鍋『Leggiero by Rinnai』カタログレシピ撮影フードスタイリング

②ホテル『BOTANICAL POOL CLUB(ボタニカルプールクラブ)』ディナーBBQと朝食サンドイッチのテーブルウエアの提案

③主に仕事で使用しているカメラは、FUJIXT4 だそうです。

MANSION DATA

間取り:1LDK
専有面積:76.87㎡
築年数:20年
都心にも近い最寄駅へは徒歩5分という便利さ。商業施設なども充実していながら、静かな住宅地でもあり緑も多く、歴史も感じさせる街並みも魅力。中心街であることを忘れてしまう静かなエリアです。

PROFILE

テーブルコーディネーター/
プロップスタイリスト

菅野有希子さん
(すがのゆきこ)

会社員を経て2016年独立。 雑誌・書籍・ウェブメディアなどで、食からインテリアまでライフスタイル提案のスタイリングを幅広く手がける。“暮らしを楽しむ”をテーマに小規模な撮影ではフォトグラファーを兼ねることも。リノベーションしたマンションで一人暮らしする“うつわ愛好家”。
Instagram:https://www.instagram.com/yukiko130
note:https://note.com/yukiko130/n/n7f899deb9e52