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ライフスタイル特集

空間の快適度と洗練度をランクアップ!

暮らしにフィットする
照明選び

暮らしに欠かせない照明器具、どんなタイプを選ぶかで
空間の印象が変わり、日々を一変させることも。
また、LEDの登場によりデザインの幅が年々広がりを見せ、
国内外のブランドともに、バリエーションも豊富です。
そこで今回は、IDC OTSUKA 照明コンサルタントの
岐部泰史さんに、照明選びについて教えていただきました。

照明選び、
まず知っておきたいこと

照明器具を選ぶ際、まず気をつけるべきポイントから教えてください。
「マンションライフの場合、配線器具の位置を知っておくことが大切です。配線の位置によっては付けたくても付けられない照明器具もありますので、照明器具を選ばれる際は、配線器具やコンセントの位置がわかる図面や写真をご用意いただくと安心です。あとは、電球を取り替えられるもの(取り替え型)と取り替えられないもの(一体型)があるということも知っておいてください。一体型は、電球が切れたタイミングで照明器具ごと取り替えることになります。現在、主流となっているLEDの照明ですと取り替え型と一体型の比率は半々くらいですので、そのあたりも照明器具を選ぶ際のポイントになるでしょうか」
LED電球の寿命についても教えてください。
「約4万時間といわれています。年数にして8〜10年が目安です。白熱電球は2年程度、蛍光灯は4年くらいが寿命とされていましたからLEDになってかなり延びたことになります」

LEDの普及でデザイン面が進化

LEDが主流になったことで変化はあったのでしょうか?
「そもそもLEDとは、青色発光ダイオード(青色LED)の発明により登場した光源で、発光効率が高く、電力消費量を大幅に削減できるテクノロジーとして世界的に注目されました。LEDの登場により最も変わったのはデザインの多様化だと思います。明かりによってインテリアの印象も変わりますから、どんな空間にしたいか、まずイメージしていただいて、家具との位置関係も考えながら選ぶことが大切です。それと、デザインと機能、どちらを優先するのかも照明を選ぶときのポイントになりますね」

照明の機能と光の色味について

機能というのはたとえばどのようなものですか?
「調光や調色ができるものも増えていますから、そういう機能が必要か、あるいはデザイン性を優先するのか、ということです。マンションの場合、部屋のメインスイッチをオプション工事などにより調光型にできるケースが多くなっていますが、スイッチを調光型にすると照明器具も同様に調光可能なものを選ぶ必要があります。メインスイッチが調光可能か否かによっても照明選びが変わってきます。あとは光の色味ですね。仕事や作業、勉強などをするスペースの照明は、青みがかった白や白色の光にする方が集中力を高めますし、また食事をする空間であればオレンジや黄色味のある色合いの光の方がお料理の見栄えがよくなります」

健康面への影響は?

照明選びが健康面に影響することはありますか?
「照明=光ということでお話しすると、人間の体内には『サーカディアンリズム』という生体リズムが備わっています。これは朝、光を浴びて目覚め、夜は暗闇とともに眠る、という一定の周期で睡眠と覚醒を繰り返す習性です。朝の光で身体を活性化させ、夕暮れの光は気持ちをリラックスさせ、睡眠へと誘いますから、朝は明るく、夜は間接照明などでやわらかな光を、というように、照明で生体リズムをサポートするという点も意識してみてはいかがでしょうか」

照明の主なタイプと特徴など

では具体的に照明の種類とそれぞれの特徴などを教えてください。
「照明は『主照明』と『補助照明』に分けられます。主照明とは部屋を全体的に明るくするのが目的で、シャンデリアやシーリングライトなどがあります。対して特定の場所や限られた範囲を照らす照明が補助照明(部分照明)です。フロアスタンドやスポットライトなどがこれにあたります。ペンダントライトは照らした部分を効果的に明るくしてくれる補助照明ですが、サイズや灯数次第で主照明にもなるアイテムです」

1.シャンデリア

天井から吊り下げるタイプで灯具が複数あり、空間を華やかに見せてくれるシャンデリア。装飾的なので、灯りを消しているときでも存在感があり、デザイン性が高いものが揃っています。
「LEDがなかった時代は、60wの電球が6〜8個くらい配されたデザインがよくありましたけれど、そのタイプで比較すると、消費電力としては、約1/10くらいになった印象です。また、いわゆるクリスタルのキラキラしたものに限らず、シンプルでスタイリッシュなタイプも増えていて、一般的なマンションの天井高(2m40cm目安)の場合でもすっきり馴染むモダンなデザインも人気が高いです」と岐部さん。また、調光や調色ができるタイプはシーリングに比べて少ないので、デザイン優先の空間におすすめ。

2.シーリングライト

天井に直接取り付けるタイプで、高い位置から部屋全体を明るく照らすのでリビングや子ども部屋、書斎など、どんなお部屋にも合わせやすい照明器具。また、調光や調色が可能なリモコン付きが多いので寝室に取り付けても便利です。
「シーリングライトは、しっかり照らしたい空間に向いています。薄型で視界に入りにくいので空間を広くすっきりした印象にしたい場合におすすめですね。リビングはもちろん、寝室や子ども部屋などの個室向きでもあります。シーンに合わせて幅広い使い方ができるのも特徴です」

3.シーリングファン

天井に取り付けるサーキュレーター付きの照明器具。空気を撹拌することで、室温を一定に保つことができるので、冷暖房効率を高めるサーキュレーション効果が期待できます。
「シーリングファンはデザインがすっきりしたもの、天井の補強工事などが不要なものが増えています。暖房の効きにくい吹き抜けや天井の高いスペースに特に効果的ですが、近年は薄型で静音性が高いアイテムも豊富ですからマンションや集合住宅にお住まいの場合でも取り付け可能です。大きな羽根でお部屋の空気を循環させるので、年間を通じて使えるのも人気のポイントだと思います」

4.ペンダントライト

天井からコードやチェーンなどで吊り下げるタイプ。インテリア性が高く空間のアクセントにも。
「近年では特にダイニングテーブルの上にペンダントライトを2〜3個吊り下げる多灯スタイルが人気で、空間を立体的に見せ、同時にリズム感も生まれます。もちろん複数のライトを配置することで広い範囲を照らす実用的な効果もあります。食卓(天板)からの高さはコンパクトなペンダントなら60〜70cm、大きめなら70〜80cmが目安です。低めに取り付けると座ったときに光源が目に入らないのでまぶしくありません。器具のデザインが大きめ、また小さなお子さまの手が届きにくい高さにしたい場合は、コードアジャスターなどを使ってお好みの高さに調整してください。また、電源が一つの場合でもダクトレールを取り付ければ複数個を取り付けられます。もちろんダイニングに限らずおすすめですが、勉強部屋や作業スペースには白い電球、お料理をおいしく見せたい場合はオレンジ系を選ぶといいでしょう」

5.スポットライト

部分的に明るくしたい場所にピンポイントで光を当てられ、空間のこだわり感を高めます。
「たとえば壁にかけたアートや飾ったお花などに光を当てると存在を際立たせることができます。また、壁や天井に光を当てて反射させることで間接照明としての演出も可能です。スポットライトは空間にメリハリを生むので、より洗練された雰囲気になりますし、リビングや趣味のお部屋などに、効果的だと思います」

6.フロアスタンド

床に置くタイプ。コンセントさえあれば照明の置き場を自由に決められるのが特徴です。
「天井や壁に取り付けるタイプのライトは電源の位置が決まってしまいますが、スタンドは自由な配置ができますのでメイン照明にプラスの明かりとしておすすめです。補助的な明かりにしたいのか、手元などに明かりが欲しいのかによってデザインが決まります。ベッドやソファの横に置いても便利ですし、たとえばリビング入り口から対角コーナーに置くと空間に奥行きが出ます。デザイン性やバリエーションの豊富さも特徴です」

7.テーブルスタンド

インテリアのアクセントにおすすめ。サイズもコンパクトで取り入れやすいタイプです。
「シンプルなものから凝った装飾が施されたものまで、さまざまなアイテムが展開されています。ソファやベッドサイドに、またサイドボードやサイドテーブルの上に、明かりと同時にインテリアのアクセントにもなるタイプです。持ち運びできる充電式のポータブルタイプもありますので目的に応じて選べます。置くだけでお部屋にニュアンスが生まれるのでぜひ取り入れてみてください」

照明の「多灯使い」で
空間をデザインする

「このようにさまざまなタイプの照明がありますが、一つに限定せず『多灯使い』することで空間をより豊かに演出できます。それは必要な場所に必要な照明を配し、使い分ける方法です。たとえば食卓を照らすペンダント、過ごし方に合わせて調光できるリビングの照明、読書のためのスタンドなど、適材適所に照明を置くことで快適性も増します。またスタンドをいくつか組み合わせることで光に高低差が生まれ空間の表情をより豊かにすることも可能です。多灯使いは、明るさが欲しいときに、その場所のみを照らすこともできますから、結果としてエコな暮らしにもつながります。それぞれの特性を知り、自由に光のコーディネートを楽しんでください」

PROFILE

教えてくださったのはこの方!

IDC OTSUKA 有明ショールーム
アドバイザー/照明コンサルタント

岐部 泰史先生(きべ やすぶみ)

国内外の照明ブランドを多数取り扱う IDC OTSUKA 有明ショールームにてアドバイザー兼照明コンサルタントとして勤務。照明に関する広い知識を得るために第二種電気工事士の資格も取得。スリープアドバイザーとしての一面もお持ちです。

取材協力・写真提供:
IDC OTSUKA 有明ショールーム

https://www.idc-otsuka.jp/showroom/ariake

PROFILE

教えてくださったのは
この方!

IDC OTSUKA 有明ショールーム
アドバイザー/照明コンサルタント

岐部 泰史先生
(きべ やすぶみ)

国内外の照明ブランドを多数取り扱う IDC OTSUKA 有明ショールームにてアドバイザー兼照明コンサルタントとして勤務。照明に関する広い知識を得るために第二種電気工事士の資格も取得。スリープアドバイザーとしての一面もお持ちです。

取材協力・写真提供:
IDC OTSUKA 有明ショールーム

https://www.idc-otsuka.jp/showroom/ariake