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食生活改善のために知っておきたい!
スーパーフードという言葉、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか? そこで今回は、スーパーフードとはどんな食品なのか、お二人の専門家に、それぞれの見地からお話を伺いました。
まずは、インターナショナルスーパーフード協会認定のスーパーフードアドバイザーとして活動されている榊原和美さんにお聞きしてみました。「私が講師を務めているインターナショナルスーパーフード協会(以下:ISFA)では、スーパーフードとは、より多くの栄養価を含む食材である、と定義しています。ISFAでは、特に抗酸化物質を多く含むものがスーパーフードと呼ぶにふさわしいという考え方です。抗酸化物質とは、簡単にいえば酸化を防ぐ、つまりアンチエイジング効果が期待できる成分のこと。スーパーフードの特長は、からだが必要とするさまざまな成分をバランスよく含み、少量でも効率よく摂取できる、ということです」
では、学術的にはどうなのでしょうか。東京農業大学の高橋信之教授によると「スーパーフードは一般的に栄養にすぐれ、科学的に検証されている機能性成分が複数含まれている食品ですね。ただ、学術的にはスーパーフードの定義ははっきりとしていません。大事なことは、食品は薬剤ではないので、病気を治すのではなく、あくまでも病気になりにくいからだをつくる、生活習慣の見直しにつながる、ということを覚えておいてください。私は主に生活習慣病や肥満について研究していますが、スーパーフードと聞いて真っ先に思い浮かべる食品は、トマトなんです。トマトのリコペンには血糖値を下げる働きがあり、生食に限らず加熱調理しても成分が安定しています。また、一般的にスーパーフードと認知されている食品は、昔から食べられているものが多く、比較的近年に何かしらの研究によって栄養素が豊富なことが解明されたものが多いようにも思いますね」
栄養素を多く含む食品が、一般的にスーパーフードと呼ばれていることがわかりました。そして、榊原さんも高橋教授も、スーパーフードは日々少しずつ摂取することが大事とおっしゃいます。そして榊原さんは、「私がスーパーフードに興味を持ったのは、子どものアレルギーがきっかけでした。なかなか症状が改善されず悩んでいたときに、知り合いがスーパーフードアドバイザーの資格を取得したことを知り、私も興味を持ち講習を受けてみたんです。すると、私が子どもに食べさせている食事が、子どもの炎症(アレルギー)の原因になっていることがわかりました。それで、家族の食事を切り換えていくうちに子どもたちも私も体質が改善されていったんです」
講習を受け、知識を深めていく上で、体調の変化も実感なさったとおっしゃる榊原さんに、ISFAがおすすめするスーパーフードをお聞きしてみると「では、比較的手に入りやすいものを選んでご紹介します(下記参照)。私はこれらのスーパーフードを毎日少しずつ取り入れるため、主にスイーツを作っています」
そうおっしゃる榊原さんは、アドバイザーとして講習なども行いながら、からだにやさしいスイーツを提供するカフェも経営なさっています。
〈ISFAによるスーパーフードの定義〉
一食分あたりに、より多くの栄養価、アクティブな抗酸化物質を含む、からだにクリーンなエネルギー源(食物)である。
日本の誇れる代表的なスーパーフード。
抗酸化物質のカテキンにより、血中コレステロールの低下やがん予防、虫歯予防が期待できる。
オメガ3脂肪酸、必須アミノ酸、ミネラルなどの栄養素をバランスよく含んでいる。炎症の抑制、皮膚や粘膜の強化が期待できる。
色素成分であるアントシアニンが、眼精疲労に効果的といわれている。食物繊維も多く、整腸効果も期待できる。
カカオポリフェノールによる血圧低下、動脈硬化予防、老化防止が期待できる。幸せホルモンが分泌するともいわれている。
オメガ3脂肪酸、タンパク質、ミネラル、食物繊維などの栄養素をバランスよく含む。高血圧予防、中性脂肪を下げる、免疫力アップなどが期待できる。
カブに似た野菜の一種。アルギニンという成分を含み、細菌やウィルスに対する抵抗力を高めるといわれている。
食物繊維が豊富で、便秘予防効果も高い。細胞の正常な成長に欠かせないとされている葉酸も多く含まれている。
南米アマゾンに生息するフルーツ。ポリフェノール、鉄分、食物繊維が豊富。美肌、ダイエット効果、デトックス効果、疲労回復が期待できる。
オレンジの500倍といわれているビタミンCを含む。美肌、美白効果、ダイエット効果なども期待できる。
榊原さんによるとこれらの他、アロエベラ、ザクロ、マンゴスチン、ノニ、カシス、クルクミン、ブラックシード、アマランサス、スピルリナ、ルクマ、マルベリー、ドラゴンフルーツ、ゴールデンベリーなども代表的なスーパーフードといえるのだそうです。
※チアシードにはホワイトチアシードもあります。
スーパーフードを取り入れたスイーツを提供するカフェ経営もなさっている榊原さん。「私がスーパーフードでスイーツを作る際、最も大事にしていることは『子どもがおいしいと感じてくれること』です。というのも、おいしくなかったら子どもは食べてくれないですし、大人だって食べ続けられませんよね? なので当たり前のようですが、おいしいことが第一。そして動物性の食品を含まないヴィーガンや、小麦粉を含まないグルテンフリーにもこだわっています」とも。
ヴィーガンに関しては、前出の高橋教授も「植物性の食品に含まれている栄養素は、人間の体内で形成されないものが多く、植物や微生物は動物が作れない栄養素を作ってくれる」とおっしゃっていました。
さて、今回特別に榊原さんが、アサイーボウルとスムージーの作り方を教えてくださいました。どちらも朝食としてはもちろん、昼食やおやつにもおすすめだそうです。(レシピ参照)
また、榊原さんからのアドバイスとしては「ヘンプシードやマカパウダーなどは、味も強くないので、いつものお料理にプラスしても味には、ほとんど影響がありません。サラダやおかずにふりかけて食べるのも効果的です」
さらには、「今まで私が教えた生徒さんやカフェに来てくださるお客さまには、体調の変化を報告してくださる方がすごく多いんです。実際にうちの子どもたちも症状に合わせてスーパーフードを取り入れることもあり、たとえば、唇がカサカサすると、タンパク質が足りないね、って自主的にヘンプシードやマカパウダーを2週間くらい強化するとプルプルになったり。生徒さんからは『子ども(の行動)が落ち着いた』とか『肌荒れが治った』などの反響もあります」
*からだのサビ取り、美肌、疲労回復に期待
・アサイーピューレ(できれば無糖) 1袋(100g)
・バナナ中サイズ 1本
・ブルーベリー(冷凍可) 適量
・チアシード 大さじ1
・お好きなコーンフレーク(今回はそば粉のフレークを使用)適量
・お好みのフルーツやスーパーフード(いちご、キウイ、カカオニブ、ゴジベリーなど)適量
① ミキサーにトッピング以外の材料をすべて入れ、混ぜ合わせる。
② 深皿に、コーンフレークを入れ、①を上から流し込む。
③ お好きなフルーツ、スーパーフードでトッピングしてできあがり。
*美白、眼精疲労回復、整腸作用に期待
・冷凍マンゴー 100g
・パイン 100g
・ゴジベリー 10粒
・お水 70g
① ミキサーにすべての材料を入れ、なめらかになるまで混ぜ合わせる。
② グラスに注ぐ。
③ ミントやゴジベリー、ココナッツファインなどをトッピングしてできあがり。
さて、日々食べ慣れている和食メニューにもスーパーフードと呼べる食品が多いそうで、「機能性成分が多い食品をスーパーフードというのであれば、日本の伝統食品も立派なスーパーフードになると思いますよ。たとえば、納豆、味噌、豆腐などの発酵食品も栄養面では優秀です。和食ということでいえば、大豆のイソフラボンの他に、ごまのセサミン、鮭のアスタキサンチン、緑茶のカテキン、海藻のミネラルなど、和食の食品も栄養素が豊富ですからスーパーフードといえますね」と高橋教授。
さらに次のようなお話もしてくださいました「たとえば、みかんにはベータクリプトキサンチンという色素が含まれています。この成分は、糖尿に効くとされていて、実際に愛媛県の人は糖尿病のリスクが低いと疫学的にも証明されています。でも前述したとおり、みかんばかり食べましょうということではなく、同じような成分であるゼアキサンチンやフコキサンチンを含むパプリカや海藻などの食品を食べればいいわけで、バランスが大事なんです」
榊原さんも「まずは知ることが大事だと思います。私は講習を受けて食品による体質改善の重要性を知りました。ISFAでは、常に食品に関する情報が更新されていますので今の時代背景や世界の状況なども含めた食の知識が得られます。なので、私は今でも講習を受け直しているんです。スーパーフードをキーワードに、からだが必要とするもの、自然であることの大切さなどを知ると毎日の食事の意味や重要性がわかります」
日頃から食べ慣れていた食品も、実はスーパーフードに当てはまるといえます。また、今回お二人の専門家からお話を聞いて、大事なことは、バランスのいい食生活を長期的に心がけることだとあらためて認識しました。
PROFILE
スーパーフードアドバイザー兼チーフプロデューサー
榊原 和美さん
2015年、一般財団法人インターナショナルスーパーフード協会のスーパーフードアドバイザーの資格を取得。国際食学協会 準食学士、エキスパートファスティングマイスター
榊原さんが作るスーパーフードスイーツはcake salon sucre(シュクレ)で食べられます。
約10年、専業主婦として過ごしたのち、下のお子さんが幼稚園に入ったタイミングで自宅でケーキ教室を開講。その後、カフェでのデザート担当。オリジナルスイーツの探求を続ける。2015年、インターナショナルスーパーフード協会のスーパーフードアドバイザーの資格を取得し『美容と健康を意識した心とからだに優しいスイーツ』をコンセプトとした不定期オープンのカフェを千葉の大網にオープン。スーパーフードスイーツ、ヴィーガンスイーツ、ロースイーツなどのギルトフリースイーツを提供。インターナショナルスーパーフード協会の認定校として、スムージー講習やスイーツ講習を開講。現在、高校2年生の娘、中学2年の息子の母。スーパーフードを取り入れる足し算の食育と、ファスティングによる引き算の食育で、いつまでも元気でいられる食育を地域に広げる活動も行っている。
cake salon sucre(不定期営業)
詳しくはホームページにて
https://cakesalon-sucre.com/
医学博士・東京農業大学応用生物科学部
高橋 信之教授
食品安全健康学科生理機能学研究室教授。2001年、生理学研究所助教。2007年、京都大学大学院農学研究科助教を経て2018年より現職。
PROFILE
スーパーフードアドバイザー兼チーフプロデューサー
榊原 和美さん
2015年、一般財団法人インターナショナルスーパーフード協会のスーパーフードアドバイザーの資格を取得。国際食学協会 準食学士、エキスパートファスティングマイスター
榊原さんが作るスーパーフードスイーツはcake salon sucre(シュクレ)で食べられます。
約10年、専業主婦として過ごしたのち、下のお子さんが幼稚園に入ったタイミングで自宅でケーキ教室を開講。その後、カフェでのデザート担当。オリジナルスイーツの探求を続ける。2015年、インターナショナルスーパーフード協会のスーパーフードアドバイザーの資格を取得し『美容と健康を意識した心とからだに優しいスイーツ』をコンセプトとした不定期オープンのカフェを千葉の大網にオープン。スーパーフードスイーツ、ヴィーガンスイーツ、ロースイーツなどのギルトフリースイーツを提供。インターナショナルスーパーフード協会の認定校として、スムージー講習やスイーツ講習を開講。現在、高校2年生の娘、中学2年の息子の母。スーパーフードを取り入れる足し算の食育と、ファスティングによる引き算の食育で、いつまでも元気でいられる食育を地域に広げる活動も行っている。
cake salon sucre(不定期営業)
詳しくはホームページにて
https://cakesalon-sucre.com/
医学博士・東京農業大学
応用生物科学部
高橋 信之教授
食品安全健康学科生理機能学研究室教授。2001年、生理学研究所助教。2007年、京都大学大学院農学研究科助教を経て2018年より現職。