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ボタニカルに暮らす

家で過ごす時間が増えているここ数年、暮らしにボタニカルを取り入れる方が増えています。そこで今回は、生活にボタニカルを取り入れるコツなどを「Garden Story」編集長・倉重香理さんに伺いました。

そもそもボタニカルって何?

ここ数年、耳にすることが多くなったボタニカルというワード。そもそもどういう意味なのか、楽しみ方や生活に取り入れるコツなどを、WEBマガジン「Garden Story」の編集長である倉重香理さんにお話しいただきました。
「ボタニカルは、英語のbotanicalをカタカナ読みしたもので『植物の』という意味です。たとえばガーデニングは庭いじりというか植物を育てることをいいますが、ボタニカルは植物を育てたり飾ったりというだけではなく、コスメや食品、インテリアやファッションなどにも植物の良さを取り入れよう、楽しもう、ということ。以前だと『天然素材』や『植物由来』と表現していたことを『ボタニカル』といい換えることが増えているようです」

オーガニックとの違いは?

ボタニカルと似ている雰囲気のワードで、オーガニックがありますが、違いはなんでしょうか?
「オーガニックは、英語のorganicで、『有機的な』とか『有機質の』の意味。農薬や化学肥料などの化学物質に頼らずに、自然界の力で生産されたものを指します。日本においては農林水産省が認証している『有機JAS』の基準をクリアしている農産物や農産加工品のこと。つまりオーガニックは植物に関してはボタニカルというカテゴリーに含まれますが、植物(ボタニカル)はオーガニックに限らない、ということです。オーガニック品で注意したいのは、コスメのオーガニックは特に日本では基準が定められていません。オーガニックとうたっていてもごくわずかな成分に限られている場合などもあるので、求めているものと合致するかはよく調べる必要があります」

育てて飾って楽しむ

お部屋に観葉植物を

マンションライフに植物をプラスする、つまりボタニカルに暮らすためにまず大切なことはなんでしょうか?
「お部屋に植物を置く場合、どの場所にどんな種類のものを置くか、その置きたい場所の日当たりや風通し、置きたい植物のお手入れがご自分のライフスタイルとマッチしているか、ということでしょうか」

観葉植物を置きたい場所の日当たりや風通しを知ることが大切です。

あまり日が当たらない室内で植物を育てたい場合にはどうしたらいいのでしょう?
「ご存じのように蛍光灯等の光を当てても植物は育ちません。でも最近は、植物を育てるための『植物育成ライト』もさまざまなタイプがあって、リーズナブルなものも増えているので活用してみてはいかがでしょうか」

小鉢からはじめてみる

さらに倉重さんからのアドバイスは、「大きな観葉植物は置き場所やお手入れが大変なので小さな鉢からはじめるのがおすすめ。お花屋さんに限らず雑貨店や百円ショップにも小さなサボテンや多肉植物が売っていますよね。多肉植物はそもそも雨の少ない地域に自生しているものなので、しばらく水やりを忘れても枯れにくく強いんです」
他におすすめをお尋ねすると、
「室内でしたら球根もいいですよ。たとえばヒヤシンスですと香りもありますし、小学生の頃に水耕栽培したことを懐かしみながら育てる方もいらっしゃいます。あとは買ってきた豆苗の再生栽培も、切って残った茎の部分を水をはった容器に入れておくだけですし、育ったら食べられるのでぜひやってみてください」

写真上:多肉植物は多少水やりを忘れても大丈夫。小鉢からはじめるのがおすすめ。写真下左:日が当たる窓辺ならヒヤシンスなどの球根も○。香りも楽しめます。写真下右:豆苗の再生栽培は初心者にもおすすめ。

生活シーンに取り入れる

インテリアにボタニカル柄を

植物のお手入れはできないけれどインテリアにボタニカルを取り入れたいときは、
「草木や花、あるいはフルーツや木の実などをモチーフにしているものがボタニカル柄です。花柄だけでなく最近は大きめの葉やグリーンをプラスしたものや植物全体をモチーフにしたものもバリエーション豊富。ボタニカル柄のカーテン、クッション、壁紙など、とても人気です。特に壁紙やカーテンは大きなスペースなのでイメージチェンジ効果は絶大。気分を変えたいときにいいですね」

見渡してみるとわかる通り、室内には家具も含め直線の部分が多いもの。
「そうなんです。その直線の中に植物ならではの曲線が加わると、それだけで部屋全体が柔らかな印象になります。壁紙を変えるのはハードルが高いという方には、壁に貼るボタニカル柄のステッカーやタペストリーでもいいですよね。家で過ごす時間が増えていますし、また、たまりがちなストレスを軽減するためにもボタニカル柄のインテリアは癒やし効果の面でも期待できます」

生花、ドライフラワー、押し花、リースなど、ボタニカルのインテリアは種類も豊富。ボタニカル柄のテキスタイルも花柄だけに限らず色、柄、素材など多様化しています。

スキンケアやヘアケア製品のこと

「ボタニカルをうたったコスメは、植物由来の成分を多く使っていることが特徴といえます。石油由来の合成素材を使ったケミカルな製品に比べ、肌への負担や刺激も少なくソフト。また、ヘアケア製品もボタニカルをコンセプトにした製品のブームが続いているようです。肌や髪にやさしく働きかけるイメージがあるからでしょうか」と倉重さん。

収穫して食する楽しみ

育てて食べるハーブのこと

最後に、食べる、飲むという視点からのボタニカルについては、
「まず食用にできるハーブは、育てるだけでなく、収穫の楽しみがあるのもいいところ。実際ここ数年ハーブの人気はとても高まっていて、家で過ごす時間が増えていることもあり、ハーブを育てる方も比例して増えています」
特におすすめのハーブは?
「ローズマリーですね。ローズマリーは草というより木。常緑で冬でも葉っぱが落ちません。虫がつきにくいのもいいところ。あとはタイムもおもしろいですよ。葉をふわっと手で触るだけで独特の香りがします」と倉重さん。「他に、ミカンなどの柑橘類やオリーブは、乾燥や暑さにも強く、実りもあるので楽しいと思います。そもそも野菜や果物に興味を持つこともボタニカルな暮らしだと思うんです。新玉ねぎはいつ出回るのかな、今年はとうもろこしが早いなとか、スーパーの売り場で季節を感じるのもボタニカルライフですよね。結局ボタニカルライフって、せかせかしないで植物時間を楽しみましょうっていうマインドが核なので。ぜひみなさまも自由に気楽に気負わずにボタニカルを楽しんでください」

スーパーでもさまざまな種類を見かけるようになったハーブ。キッチンまわりで育てて、お料理にプラスするとフレッシュで味や香りのアクセントにもなります。

ハーブティーについて

「ハーブといえばハーブティーも人気が高いですね。でも自分で栽培したハーブをハーブティーにするのは知識も手間もなかなか大変です。収穫してフレッシュなうちに一気にドライにして加工しなくてはならないですし、効能もハーブによってさまざま。ハーブティーは既製の商品がおすすめです」

植物を育てる際、手入れに追われて眺める時間が減ってしまう、ということにはならないように。たとえば同居人みたいな感覚で、植物と過ごしてはいかがでしょう。見て、風に揺れる葉の音を聞いて、香りを嗅いで、食べて、触って、そんな風に五感でボタニカルな暮らしを楽しんでください。

Photo/ 1) Photographee.eu 2) CLICKMANIS 3) Photographee.eu 4) panattar 5) Photographee.eu 6) Photographee.eu 7) marcin jucha 8) Erhan Inga 9) Pixel-Shot /Shutterstock.com

PROFILE

倉重 香理さん(くらしげ かおり)

WEBマガジン「Garden Story」編集長
大学卒業後、編集プロダクションに入社し、ライフスタイル&ガーデン専門誌編集歴20年。また、ガーデニング雑誌『BISES(ビズ)』にて、副編集長兼進行管理を12年間務める。

WEBマガジン「Garden Story」について

“花・緑・庭がある暮らしをもっと楽しく”をキーワードにした、おしゃれな庭とガーデニングの情報サイト「Garden Story」。ガーデニング初心者からベテランガーデナーまで誰もが楽しめる、幅広いテーマを網羅する記事は、すべてここでしか読めないオリジナル記事です。2022年5月時点で総記事数は3,500記事。倉重さんが代表をつとめる「3and garden」と、株式会社タカショーが共同で、ガーデニングに関する総合情報WEBマガジン「Garden Story」の記事制作及び編集・運営を行っています。

Garden Story

https://gardenstory.jp/

倉重さんが育てている植物の写真はインスタグラムでも見られます。

https://www.instagram.com/kaori_kurashige/

PROFILE

倉重 香理さん
(くらしげ かおり)

WEBマガジン「Garden Story」編集長
大学卒業後、編集プロダクションに入社し、ライフスタイル&ガーデン専門誌編集歴20年。また、ガーデニング雑誌『BISES(ビズ)』にて、副編集長兼進行管理を12年間務める。

WEBマガジン「Garden Story」について

“花・緑・庭がある暮らしをもっと楽しく”をキーワードにした、おしゃれな庭とガーデニングの情報サイト「Garden Story」。ガーデニング初心者からベテランガーデナーまで誰もが楽しめる、幅広いテーマを網羅する記事は、すべてここでしか読めないオリジナル記事です。2022年5月時点で総記事数は3,500記事。倉重さんが代表をつとめる「3and garden」と、株式会社タカショーが共同で、ガーデニングに関する総合情報WEBマガジン「Garden Story」の記事制作及び編集・運営を行っています。

Garden Story

https://gardenstory.jp/

倉重さんが育てている植物の写真はインスタグラムでも見られます。

https://www.instagram.com/kaori_kurashige/